2017年4月24日月曜日

FRAGILE TOUR -FINAL- (2017-04-15)

サンシャイン池袋のすぐ横にある公園には猫がたくさん住み着いていて、昼時にベンチで飲食物を手にしているとたかりにくる。今日(4月24日)も一匹が私の膝の上まで乗っかってきて、身を乗り出して私の左手のケバブ・ラップにありつこうとしてきた。公園には家のなさそうな紳士たちもいるが、彼らはたかってこない。むしろ猫に餌を与える側だ。もしあの紳士たちが食事や金を無心したら通報されるだろう。猫が同じことをしたら人間に愛でられる。猫は可愛いからだ。最高の天気だったので横になりたい衝動が芽生えたが、やめておいた。現在の私は横になりすぎて背中と脇腹が痛んでいるのだ。それを悪化させてはいけない。今日は月曜なんだけど、何で月曜の昼間に池袋の公園にいたかというと休みを取っているから。風邪をひいた。思い返すと先週の火曜日くらいから前兆はあった。胃の調子が悪いと感じていた。もたれるというか。木曜日の朝に起きたら喉が痛くて、ああ風邪だなと。金曜日には咳と鼻水がひどくなった。金曜の夜に帰宅してから月曜の朝まで、ほぼずっと家で寝込んでいた。日曜の夜遅くまで頭痛が止まらなかった。こんなに長引くとは思わなかった。ここ最近というもの12月、2月、4月と2ヶ月おきに重い風邪をひいている。勘弁してくれ。マジで。

fox capture plan。“FRAGILE TOUR -FINAL-”。リキッド・ルーム。恵比寿。土曜日。4月15日。風邪をひく数日前。なぜ私はそこにいたのか? アルバム“FRAGILE”を買ったときにこのコンサートへの先行申し込みIDが封入されていて、応募したところ、当選したからだ。なぜ応募したのか? この日のスケジュールは埋まっていなかったし、fox capture planのコンサートには前に行ったことがあって凄く楽しかったからだ。最初のときはどうしてfox capture planのコンサートに足を運ぼうと思ったのか? それは私が彼らの音楽が好きで、一度は生で味わってみたかったからだ。なぜfox capture planのファンになったのか? きっかけはbohemianvoodooとのスプリット盤“Color & Monochrome”だった。bohemianvoodoo目当てで買ったのだが、この盤を機にfox capture planの虜になった。彼らが出してきたすべてのCDを買ったし、それ以降に出したCDもすべて買うようになった。bohemianvoodooを聴くようになったのはなぜ? それは上原ひろみに打ちのめされたからだ。上原ひろみを聴くまでの私はアメリカのジャズだけ、それも有名な古典だけを聴いていた。もちろん古典はリイシュー盤が千円で買えるという経済的な理由もあったが、何よりもアメリカの黒人たちによるジャズだけが本物のジャズだと思っていた。上原ひろみの音楽に衝撃を受けてからはその考えが消えた。そして伝統的なジャズそのものだけでなく、ジャズに影響を受けた色んな音楽にも興味を持つようになった。そんな中あるTwitterのアカウントが勧めているのを見てたまたま買ってみたのがbohemianvoodooの“Aromatic”だった。そもそもなぜジャズを熱心に聴くようになったのか? それは無職になったからだ。私はヒップホップをよく聴いていたのでサンプリングのネタによく使われるジャズには元々興味があった。でも何から入ればいいかが分からなかった。Madlibの作品はだいたい聴いたけどジャズそのものは数えるほどしか触れることはなかった。それが2013年5月に無職になると毎日ジャズばっかり聴くようになった。むさぼるように。ジャズが妙に沁みるようになったのだ。無職の孤独に寄り添ってくれる音楽のような気がした。私がfox capture planのコンサートの観客としてリキッド・ルームのフロアに立つまでの経緯を遡ると、2013年に無職になったところまでが明確に一つの線に結ばれる。私に無職経験がなかったらfox capture planのコンサートには来ていなかったかもしれない。

コンサートの内容や感想を直接的に表現しようとしても陳腐な言葉しか思い浮かばない。不思議なくらいに、何て書けばいいかが分からない。会場から出て、完全に満たされていたのは覚えている。出てくる言葉といえば、格好良かった。楽しかった。最高だった。○○という曲を聴けて嬉しかった。いや、それでいいのかもしれない。別に間違ってはいない。それでいいはずなんだが、何か違うんだ。セットリストが大体こういう構成だったとか、最後の最後が私が一番好きな○○だったとか、キーボードの岸本さんがこんな面白いことを言っていたとか、書けるネタはいくつかある。岸本さんが言っていたことを書き残すだけでも価値はあるだろう。そういったことを詳しく書いていけばそれなりの記事に仕立てることは出来そうなんだけど、記録と感想を残せば残すほど、あのコンサートの素晴らしさの記述からはかけ離れていってしまうような気がする。もしかすると体調がよくなってからじっくり時間を取れば、自分で納得の出来る文章が書けるのかもしれない。でも、今週は土曜日にJuice=Juiceのコンサート、日曜日にはつばきファクトリーの接触が控えていて、時間に余裕がないんだ。だからあのコンサートのことは下手に吐き出して記録として残すのではなく、自分の中にとどめておきたい。一つだけ気の利いた(?)感想を述べておく。fox capture planの音楽があって、私がいる。この世界がそれだけの単純な場所に感じられた。そんな2時間強だった。